延滞してもキャッシング業者からの督促が来なくなった場合…
延滞してもキャッシング業者からの督促が来なくなった―。この理由は、下のようなものが考えられます。
- ただの手違い
- 知っていて、放置している
ということです。それぞれ説明します。
延滞者の放置はよくある
実は、カードローン会社が延滞者・遅延者を放置することはよくあります。理由は「人件費がもったいない」からです。
もったいないなどというと延滞者(仮初めにも利用者)に対して失礼なようですが、要はそこまでのコストと人員が揃っていないということです。
たとえアイフルのように東証一部上場の企業であっても、プロミス・SMBCモビットなどのように三井住友銀行がバックについている銀行系であろうと、やはり限界はあるのです。人間がやる仕事ですから。
というわけで、これらの大手の消費者金融であっても、
- 借り手にお金がないことがわかっている
- また、借入総額が小さいので、利息も大した額ではない
- 無理に人員を割いて督促しても、利益がない
という状況・条件では、督促をしないことがあります。こういう時は精神的に楽ですが、それでも「延滞利率」は適用されているし「遅延損害金」も発生しているので、この点は注意してください。
遅延利率・損害金はどのくらいになるのか?
まず遅延利率については、消費者金融の大手の場合「20.0%」と決まっています。SMBCモビット・プロミス・アイフル・アコム、すべて「20.0%」という延滞利率です。
で、そこから計算される遅延損害金が実際いくらになるか―。これはその人の借金総額次第なので、わかりません。ただ、通常の金利が「18%」なので、「9分の1高くなっている」ということ。
9分の1というのは抱いた12%なので「通常の12%増しの利息」と思ってください。つまり、1000円の利子のはずだったのに「1120円になる」ということです。「120円多くなった」ということですね。
遅延損害金は大したことないが…
このように、遅延損害金は実は大した金額ではありません。10万円以上借り入れしている場合でも、せいぜい1ヶ月で数十円とか100円程度です(どのくらいの借金総額か、延滞日数かにもよりますが)
このような遅延損害金の絶対金額よりも、怖いのは遅延・延滞によって、クレジットヒストリーが悪化するということ。これによって、クレジットカードやカードローンの審査はもちろん、住宅ローンや自動車ローンなどの真面目な借金でも、審査に通らなくなってしまう可能性があります。
延滞日数は、長ければ長いほど不利
このように、遅延損害金よりも「クレジットスコアの低下」が一番怖いのです。そして、遅延・延滞の日数というのは、長ければ長いほど不利になっていきます。
数日から10日程度の遅延・延滞なら誰でもやっているので、このくらいでは特に個人信用情報が悪化することはありません。しかし、これが2週間程度を超える延滞日数になると、徐々にクレジットヒストリーが悪化していきます。
ということで「業者からの督促が来ないから安心」などと油断せず早めに返済するようにしましょう。一部返済するだけでもまったく印象が違います。
催促、督促、催告の違い
この3つの言葉は、一般的な生活ではあまり区別されていません。しかし、カードローンの返済に関しては、主に下のような意味で区別されています。
- 催促…初期の連絡。「ご連絡」というソフトな書面
- 督促…「督促状」とハッキリ書かれた書面
- 催告…「催告状」と書かれたもの。無視すると強制執行
という違いです。つまり、一番重いのが「催告」ということですね。この言葉は聞き慣れないと思いますが、そのレベルまで行く人がめったにいないからです。
もし催告状まで届いてしまったら、必ず返済しなくてはいけません。返済しなかった場合、給料や貯金などの財産を差し押さえされます。(差し押さえ=強制執行)
延滞分だけでなく、一括返済しないといけない
また、催告状が届いた場合は「借入残高を一括返済」しないといけません。督促状の段階では「延滞分」だけでいいのですが、さらに怒らせた罰として、残りの全額を返済しないといけない、という状態になるですね。
というわけで、お金のない遅延者の人々が「さらに不利な状態になる」わけです。資本主義を語る言葉でよく「貧乏人はますます貧乏になり、金持ちはますます金持ちになる」というものがありますが、ここでもその言葉通りのことが起きるわけです。