過払い金の返還請求を自分でする方法 ~請求書類の書き方など~
過払い金の返還請求は、自分ですることもできます。司法書士・弁護士などの専門家に依頼した方が簡単ではありますが、自分でやった方が料金がかからないのでいい…、という人もいるでしょう。
ここでは、そうした人のために「過払い請求を自力でやる方法」をまとめます。
自力過払い請求のポイント
まず、最初にポイントを箇条書きすると、下のようになります。
- 最初に「取引履歴」を請求する
- その取引履歴を見て、計算する(無料ソフトで可能)
- その後「返還請求」をする
- 業者がごねて、低い金額を言ってくる
- それでも良ければ和解。ダメなら裁判
という風です。以下、詳しく説明します。
取引履歴請求書を、書いて送る
まず最初に「取引履歴請求書」というものを書いて、キャッシング業者に送付します。この「取引履歴請求書」のテンプレート・雛形は、ネットでダウンロードできます。
ワードなどのファイルでダウンロードし、後はそれに記入するだけ。この書類は「ただ取引履歴を送ってください」というだけなので、とても簡単です。
で、それが業者に届いたら、業者から電話があったりあるいは何もなしにそのまま取引履歴が送付されてきます。ここで注意する点があります。
全期間の取引履歴があるか確認する
まず、最初に確認することは「全期間の取引履歴があるか」ということ。過払い金というのは「古い年代ほど、多く発生している」ものです。ということは古い年代のキャッシングを誤魔化せば誤魔化すほど、業者は過払い金を払わなくていいわけです。
ということで、カードローン業者は大抵「古い記録をごまかそう」としてきます。これに注意して「最初の履歴から、確実に取引履歴が送られているか」をしっかり確認しましょう。
取引履歴を見ながら、過払い金の計算
過払い金の計算というと難しそうですが、実は無料ソフトでできます。「過払い金計算専用」というフリーソフトが、ネットで多く公開されているので、それをダウンロードして利用するだけでOKです。
初心者でも簡単に計算できるようになっているので、エクセルなどの入力ができる人であれば問題なく計算できます。早ければ数時間で終わるでしょう(もっと短い場合もあるでしょうが、その場合、過払い金もあまり発生してない可能性があります)
何はともあれ、計算自体は過払い請求でもとても簡単なので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
金額が計算できたら、返還請求
こうして過払い金の金額が計算できたら、いよいよカードローン業者に「返還請求」をします。これも「過払い金請求書」という書類が必要ですが、ネットでひな形・テンプレートをダウンロードできます。
郵送は内容証明郵便など、確実にカードローン業者に届いたことがわかる方法で郵送しましょう。そうでないと「届いていない」などと、しらばっくれる悪徳業者も稀にいます。
そして、過払い金請求書が業者・ブランド・銀行に届いたら、いよいよあちらから連絡が来ます。大した金額でない場合はすんなり払ってくれるでしょうが、高額な場合は「満額は払えない」と言ってくる場合もあります。
(実は、大手の消費者金融ですら過払い金の返還でかなり厳しい状況なのです。大手はまだ持ちこたえていますが、中小業者だとこういう交渉をよくしてきます)
満額でなくてもいいなら、和解成立
業者が提示してきた金額を見て「これでも十分」と判断したら、それで和解しましょう。その金額を返金してもらって、それで解決です。しかし、もし満足できる金額でなかったら、…この場合は裁判となります。
「過払い金でカードローン業者と裁判を起こす」となると、かなり抵抗を持つ人もいるでしょう。しかし、この場合も司法書士・弁護士などの専門家に依頼すれば問題ありません。
何でもかんでも専門家に依頼、で片付けると無責任なようですが、さすがにこの裁判だけは自力でやるのは辞めた方がいいでしょう。業者もある程度押し切れる自信があって、満額返還を拒んでいることが多いです。
また司法書士・弁護士の事務所を通した途端、いきなり満額で合意してくるというのもよくあるパターンです。要は「素人には大きい態度に出るけど、専門家には弱い」ということですね。
大手の消費者金融だとこういうことはめったにありませんが、中小の経営が厳しい街金業者などは、よくあります。そうしたサラ金の業者を相手に過払い請求する場合は、やはり専門家の力を借りるのがいいでしょう。
以上、過払い金の返還請求を自力でやる方法についてまとめました。長年にわたってキャッシングしている人などは、ぜひ参考にしてみてください。