夫・旦那がローンを申し込む時、妻が借金していると審査で不利になる?
夫・旦那がローンを申し込む時、妻が借金していると不利になるか―。これは基本的に「なりません」。不利になる条件は、「妻が、夫のローンの連帯保証人になる」というケースです。
この場合、当然連帯保証人の信用度(クレジットスコア)も問われます。もしそこで妻がキャッシングをしていて、その借入状況に問題があった場合は、確かに夫のローンの審査も不利になるでしょう。
連帯保証人になるのでなければ、関係ない
例外として「妻が連帯保証人になる」という条件を書きましたが、逆に言えば「それ以外のケースは、問題ない」ということです。つまり、妻・嫁・奥さんがいくら借金をしていようと、「夫・旦那が新たにカードローンなどを申し込む時、その審査に影響することはない」ということです。
住宅ローンのような真面目な借金でも関係ない
消費者金融や銀行カードローンのような「融通の効くキャッシング」だったら、確かに「妻のキャッシングは関係ない」というのもわかるでしょう。しかし「住宅ローン・学資ローンなどの、真面目な借り入れになったら、関係あるのでは?」と思うかも知れません。
しかし、住宅ローンでも大丈夫なのです。夫・旦那の名義で住宅ローンを申し込む時、その時点で妻がどれだけ高額の借金をしていたとしても、問題なく夫は住宅ローンを組めるんですね。
夫に、その金額にふさわしい収入が必要
当然ですが、これは「夫・旦那が、それだけの収入を持っている」ということです。たとえば住宅ローンで2000万円組むとしたら、年収500万円など(あくまで概算です)。
その職業の安定度にもよりますが、総合的に見て「この住宅ローンの総額で、この夫・旦那の条件だったら、問題なく融資できる」と銀行が判断すればいいのです。あとは保証人など何もつけないのなら「外部は一切関係ない」ということですね。妻もここでは「外部」です。
本人以外の個人信用情報の照会は、違法である
そもそも、夫・旦那というのは、奥さんから見れば確かに「夫・旦那」です。しかし、消費者金融や銀行カードローンから見たら「山田太郎」などの一個人なんですね。
その山田太郎の審査なのに、奥さん(山田花子)の個人信用情報までチェックする…というのは、「プライバシーの侵害」にあたるのです。
兄弟や親戚の個人信用情報をチェックしないのと同じ
たとえば同じケースで、「山田太郎の兄弟・親戚」まで、個人信用情報を審査するかどうか考えてみましょう。どう考えても「しない」ですよね。
親戚はともかく、兄弟だったら「生計を一にしている」可能性はあります。「夫婦は生計が一緒だから審査する」というなら、兄弟や同居している親なども、すべて審査するべきでしょう。
しかし、そこまでしないことは、カードローンの仕組みを知らない人でも、大体想像がつく。これと同じように、「配偶者の個人信用情報まで審査しない」というのは、キャッシング審査の世界では常識なのです。
連帯保証人とは何か?
例外となるのが、冒頭にも書いた通り「夫婦どちらかが、相手の連帯保証人になっている」という場合です。ここで、そもそも「連帯保証人」とは何かを説明します。
これには「単純保証人」との違いを説明するのが一番です。
単純保証人と連帯保証人の違い
まず、簡単に書くと下の通りです。
- 単純保証人…責任が軽い
- 連帯保証人…責任が重い
次に「どのように責任が重いか・軽いか」をまとめると、下の通りです。まず「単純保証」の方を書きます。
- 「代わりに払え」と業者に言われた…払わなくていい
- 総額100万円の保証を、別の人と2人でした…責任は50万円だけ
…となります。これが、連帯保証人の場合、下のようになります。
- 「代わりに払え」と言われた…払う義務がある
- 総額100万円の保証を2人でした…それでも責任は100万円
おそらく「2つ目」がわからないでしょう。「なんで二人がかりで保証しているのに、責任が100万円分?」と。これは「もう一人の保証人も逃げた」場合です。
- 単純保証人…もう一人の保証人が逃げても、50万円分だけでいい
- 連帯保証人…もう一人の保証人が逃げたら、100万円責任を負う
…ということです。連帯保証人の方が理不尽なのがわかるでしょう。もちろん、それを覚悟で連帯保証人になったのだから、当然なのですが…。
ちなみに、単純保証人の「払わなくていい」というのは「裁判で負けた」ら別です。裁判するまでは、払う義務はないんですね。
…このように、連帯保証人の責任は重いですが、夫婦どちらかがそれにならない限り「片方の借金」は関係ないということです。これから住宅ローンを組む方など、参考にしていただけたら幸いです。