印鑑証明書を渡したら、キャッシングの連帯保証人にされてしまった!
印鑑証明書を渡しただけなのに、キャッシングの連帯保証人にされてしまった―。というトラブルでは、どうすればいいでしょうか。
結論は「弁護士を通じて、無効を主張する」ということ。多少手間ではありますが、これで一応解決できます。
なぜ、印鑑証明書で連帯保証人にされる?
そもそも、印鑑証明書を渡しただけで、何でカードローンの連帯保証人にされないといけないのか―。これは、印鑑証明書には下のような意味があるからです。
『その印鑑証明書を渡した相手に、契約をすべてまかせる』ということですね。この場合の契約というのは、あなたの印鑑証明書を受け取ったAさんです。で、契約というのは「Aさんのキャッシング」でうsね。
ということで、Aさんがあなたの印鑑証明書を持ってカードローン業者と契約したら、それは一応「有効」ということになるのです。そして、Aさんが「この人が連帯保証人になってくれます」と業者に言ったら、そのとおりになるんですね。
しかし、内容を知らなければ無効
印鑑証明書には、確かにこのような効力があります。しかし、それは「あなたが契約の内容をしっていた場合」に限られます。
印鑑証明書を渡しただけなのに、勝手に連帯保証人にされていた。ということは、あなたは契約の内容を知らなかったということなので、これは無効を主張できるわけです。
お酒の席などで知らされていた場合は
冗談ではなく意外とあることですが、お酒などで酔っ払っている時に、口約束でその契約の内容を知らされていた…ということもあるでしょう。この場合は、契約を無効にすることはできるのか―。
答えは「可能」です。というのは、口約束には、法的な効力はないからです。しっかり法的な効力を持つ契約をするには「書面を交付」しないといけないんですね。
ということで、もし酔っ払っていたにしても、あなたを連帯保証人にするには、そのAさんが翌日、あなたのところに来ないといけません。そして、「さあ、昨日話したこの書面にサインをしてください」と言って、あなたのサインをもらわないといけないのです。
そこであなたが「何、これ」と断ったなら、あなたが連帯保証人になることはありません。しかし、万が一、ここでサインしていたなら、あなたは連帯保証人になる必要があります。書面での契約というのは、それだけの効力があるのです。
酒の席で書面を交付してしまった場合は?
これもやはり「書面を交付」してしまったので、基本的には解除できません。どうしても連帯保証人を解除したいのなら、
- 代わりを見つける
- 保証金を積む
このどちらかの方法で辞退する必要があります。
酒の席で連帯保証人を依頼し、しかも契約書までその場で書かせるというのは、かなりの手練であり、確信犯です。おそらく業者も裏で手を引いているでしょう。
弁護士に相談すれば何とかなる
ただ、大抵の場合は弁護士に相談すれば何とかなります。理由は「しっかり確認しなかった、カードローン業者も悪い」からです。
貸金業者というのは特殊な職業です。キャッシング地獄による自殺者なども出しているため、社会的な責任がかなり問われます。
そのため、連帯保証人をつけて融資するというケースでは債務者だけでなく、連帯保証人にもしっかり確認しなければならないというルールがあるんですね。
しっかり明文化されているわけではありませんが「債務者の返済能力を確実に確かめないといけない」というルールは、明文化されています。
そして「連帯保証人がついている」ということを根拠に融資する場合「その連帯保証人が、契約の事実を知らなかった」というのでは、全然話にならないでしょう。
まともな業者なら、確実に確認する
ということで、法律を順守しているまともなキャッシング業者だったら、必ず「あなた、Aさんの連帯保証人になってくれるそうですが、間違いありませんか」という確認をします。それをしないということは、闇金業者・街金業者・違法なサラ金…という可能性が高いんですね。
そういう違法業者の場合、叩くといろいろホコリが出てきます。つまり、あまり裁判沙汰になりたくないのです。
そのため、弁護士を立てて連帯保証人本人が知らなかったような契約は無効であると主張してもらえば、大体その通り無効になります。
その時困るのはAさんですが、これはAさんの自業自得ということで、仕方ないし、そのままでいいでしょう。
このように「知らない間に連帯保証人にされていた」という場合でも、その契約を無効にすることは可能です。他人のカードローンの返済義務まで背負う必要はないので、安心して対応してください。