キャッシングの催告状と督促状の違いは?強制執行・差し押さえの有無
キャッシングの督促状と催告状の違い―。これは下のようになります。
- 督促状…延滞中の金額だけ、返済を求める
- 催告状…全額の一括返済を求める
という違いです。さらに、下のような違いもあります。
- 督促状…無視できる
- 催告状…無視すると、差し押さえ(強制執行)される
つまり、催告状の方がより厳しいというわけです。以下、詳しく説明します。
最初に郵送されるのは「ご連絡」のみ
当然ですが、どんなキャッシング業者もいきなり「督促状」は送ってきません。まず最初は「ご連絡」という形で、穏やかなハガキや封筒が郵送されます。
どういう順番で督促が激しくなっていくか、郵便物を一覧にすると下のようになります。
- ご連絡・お知らせ
- 再度のご連絡・来店依頼
- 督促状
- 催告状
という順番です。さらに詳しくまとめましょう。
しばらくはただの連絡しかこない
カードローン業者も、あまり利用者に厳しくあたって、逆恨みを買いたくはありません。仮に逆恨みにしても、その悪い口コミ・評判は、多くの人が信じてしまうかも知れませんからです。
また、督促をするスタッフさんにしても、こういう仕事は精神を病みやすいので、あまり激しい督促は、自社の社員にさせたくないのです。ということで、序盤の催促はかなりやさしいものなんですね。
特に支払いについてはただ忘れているだけ、という可能性もあるので、最初はあくまで「ご連絡」という形を通るのです。
1ヶ月~数ヶ月で督促状に変わる
どのくらいで「ご連絡」が「督促状」に代わるかは、業者・ブランド・銀行によります。早ければ1ヶ月ということもありますし、数ヶ月OKという場合もあります。
この厳しさは、下のような条件によって変わります。
- その利用者の借入総額…大きいほど厳しい
- 過去の返済履歴…履歴が良い人は、多少甘くなる
- その業者・ブランド・銀行との付き合い…利用年数が長いほど緩くなる
という風です。業者・ブランド・銀行だけでなく、その利用者本人にもよるということですね。
督促状を無視すると、催告状になる
そして、この督促状すら無視していると、いよいよ催告状が届きます。催告状を無視すると「強制執行」をされるので、これは決して無視してはいけません。
強制執行と差し押さえは同義語ですが、これを食らうと何をされるのか。実は内容自体は大したことありません。
たとえば「現金が見つかった場合も、66万円までは没収されない」「生活に必要な道具の没収はできない」などのルールがあります。
また、家財道具なども基本的に取られません(大してお金にならないからです)。それよりも一番怖いのは「給料の差し押さえ」です。(これもそれほど怖くはないのですが)
給料を差し押さえられると、どうなる?
これは「毎月一定金額が差し引かれる」というスタイルです。この金額は上限が決まっていて「手取りの4分の1までしか取ってはいけない」となっています。
つまり、手取りが16万円だったら、「4万円までしか取られない」ということです。毎月12万円は、給料としてもらえるというわけですね。
- 20万円…5万円
- 30万円…9万円
- 40万円…19万円
というのが、差し押さえの最大金額です。これ以上取られることは法的にあり得ません。
また「21万円以上」取られることもありません。21万円が、強制執行の最大の金額です。どれだけ年収がある人でも、21万円以上差し押さえられることはないということです。(ただし役員報酬は別)
ということで、金額的には実は意外と大したことがありません。問題は「職場にバレる」ということです。
強制執行は、確実に職場にバレる
給料を銀行口座まるごと差し押さえる以上、当然強制執行は、その延滞者の職場にバレます。「あんたの所の社員が借金払わないから、給料から天引きさせてもらうよ」といって、貸金業者が連絡するということですからね。
そして、強制執行を受けたような人を、会社もいつまでも置いておいてはくれないでしょう。そのようにお金に困っている人は職場でも横領などを働く可能性がありますし、仮に横領しなかったとしても、あまり信用できないのは確かでしょう。
また、大体こういう状況では、人は集中力が落ちているので、仕事でも使い物にならないことが多いです。というわけで、差し押さえで一番怖いのは、むしろ仕事をクビになることと考えていいでしょう。
仕事を退職させられたら、当然その後の返済も厳しくなりますし、生活費自体がなくなります。これによって闇金業者・街金業者、クレジットカードの現金化などに手を出してしまう人もたくさんいます。
このような事にならないよう、催告状だけは無視しないようにしましょう(督促状もですが)。