キャッシングの利用可能枠(限度額)はどうやって決まるのか ?計算方法は?
キャッシングの利用可能枠は、どうやって決まるのか。これは、2通りの説明ができます。
- 金額の大小…総合的な信用度(年収・職業・クレジットヒストリーなど)
- 正確な金額…計算式
実は、利用限度額を算出する、計算式があるんですね。まずそこから説明します。
利用可能枠の計算式とは?
『年収-生活維持費-他社借入金額=利用可能枠』
これがキャッシングの利用可能枠の計算式です。「他社借入総額を引く」というのは、問題なく納得できるでしょう。わからないのは「生活維持費」だと思います。
これもやはり算出のルールがあります。生活維持費は、下のような表から計算します。
生活維持費の計算表
生活維持費は「世帯の人数」によって決まります。(正確に言うと「生計を同一にする」人数で決まります)
もう1つ「住宅ローン・家賃の負担があるかどうか」でも金額が変わります。この2つの要素が絡んで決まる生活維持費の表が、下です。
世帯人数 | ||||
---|---|---|---|---|
住宅費用 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 |
あり | 116万円 | 177万円 | 209万円 | 240万円 |
なし | 90万円 | 136万円 | 169万円 | 200万円 |
たとえば配偶者(夫・妻)と二人暮らしの場合、大抵は家賃の支払いもあるので、生活維持費は「177万円」となります。そして、年収が300万円、他社借入総額が23万円だとしましょう。この場合、
300万円-177万円-23万円=100万円
となります。つまり「100万円まで借入可能」ということですね。
では、もし「他社借入金額の23万円」がなかったら?この場合「123万円」まで借りられるはずですが、現実には「貸金業法第13条の2第2項の規定」があるので、100万円止まりです。
貸金業法第13条の2第2項の規定とは?
貸金業法第13条の2第2項の規定とは「年収の3分の1までしか借りられない」というルールです。正確には「融資してはいけない」です。(貸す側のルールなんですね)
ということで、年収300万円の人は「100万円まで」しか利用可能枠をもらえないのです。先の計算だと、計算式では「123万円」までOKでも、貸金業法第13条の2第2項の規定によって「100万円まで」で限度額が止まる、ということです。
信用度(クレジットスコア)による決定
ここまで書いた内容は、あくまで「正確な金額の算出」です。実際には「大体の限度額の大小」を決めるために、最初に「信用度(クレジットスコア)」を判断します。
これは多くの人が感覚的に知っていることでしょう。
- 年収
- 職業
- 勤続年数
- 借入状況
- 個人信用情報
などによって決まるものです。(最後の「個人信用情報」というのは、これまでの借入・返済の記録のことです)
こうした「総合的な信用度」によって、大体30万円・50万円というような金額帯を決めた後、細かい金額を計算するために、ここまで書いたような「生活維持費」などで数字を出すのです。
実際の限度額は大雑把な金額になる
ただ、このようにそれぞれの「適性な利用可能枠」が正確に出せるものの…。実際に決まる限度額は「10万円・30万円・50万円」のような大雑把な金額です。
こうなるのには理由があり、下の通りに説明できます。
- カードローン業者側の管理が楽である
- 細かい金額は、利用者も覚えにくい
- ちょっとした金額差で、利用者同士のプライドが傷つく
ということです。まず「キャッシング業者の管理が楽」というのは言うまでもないでしょう。続いて、利用者自身も、細かい金額は覚えづらいというのも納得できると思います。
最後の「利用者同士の比較」については、「俺、プロミスで13万円借りれたよー」などと自慢することは、確かにないでしょう。しかし、現代では「ネット」があります。
ネットにはそれぞれの消費者金融や銀行カードローンの利用者が、口コミ・体験談を書き込んでいます。それを見れば「自分と同じくらいの収入・職業・属性の人が、いくらくらいの限度額をもらえたのか」ということがわかるわけです。
それを見て「俺のほうが少ない」と、少々ショックを受ける人もいるでしょう。別に何も感じないという人もいるかも知れませんが、キャッシング審査に落ちるのと同じように「人よりも限度額が小さい」というのは、やはり大抵の人にはショックなのです。
実際、これが住宅ローンや自動車ローンだったら「あなたは○○万円までです」と言われた金額が小さいと、確実にショックを受けるでしょう。それがイコール「建設できる家のサイズ」「車のグレード」に直結するわけですからね。
ということで、あまり細かい利用可能枠の差をつけると、消費者の不満を招くおそれがあるのです。ということで、あまり細かい差はつけないんですね。
以上、消費者金融や銀行キャッシングでの「利用可能枠(融資枠)」の決まり方を説明しました。たくさん借りたい人も、別に少額融資でかまわないという人も、ぜひ参考にしてみてください。