クレジットカードのキャッシングも総量規制の対象になる?ならない?
クレジットカードのキャッシングも、貸金業法第13条の2第2項の規定の対象になります。そして、ここで注意すべきことは「実際に借り入れしていなくても、借りているものと計算される」ということです。
キャッシング枠があるだけで「借り入れ」状態に
たとえばあなたのクレジットカードで、「30万円」のキャッシング枠がついていたとしましょう。そして、あなたはこの借入枠を1円も使っていません。
しかし、この場合でも「この人は、30万円VISAから借り入れしている」とカウントされるんですね。当然、カードローンや他のクレジットカードの審査を受ける時にも不利になります。
それにしても、なぜ使っていないのに「借りていること」になるのでしょうか。
審査する業者・ブランド・銀行の立場になるとわかる
この理由は、審査する業者・ブランド・銀行の側に立てば、簡単にわかります。たとえばあなたがアイフルだったとして、申し込み者の審査をします。そして、「この人は、30万円までは融資してもOK」という結論が出ました。
しかし、よく見ると「VISAカードから、30万円キャッシング可能」となっています。もしあなた(アイフル)が融資した後、この人が「VISAからも30万円借り入れ」したらどうなるでしょうか。
この人の借金総額は「60万円」になります。ということは「破産の確率が高い」わけですね。(実際には60万円ごときで破産する人はいませんが)
というように「キャッシング枠がある」ということは、それだけで危険なのです。業者・ブランド・銀行としては「危険が排除されている人だけに融資したい」わけですね。
で、「危険を排除」=「クレジットカードのキャッシング枠を解約」ということになるのです。つまり「現時点で借りていない」場合でも「借入枠を持っている限り」、その人は「借りている」と見なされるわけです。
使っていない業者・カードは解約する
クレジットカードだけでなく、他の消費者金融や銀行カードローンでも同じです。要は「借りられる余裕」がある部分は、すべて「借りている」と見なされるのです。
ということで、現時点で利用していないクレジットカードやキャッシング業者は、すべて解約しましょう。そして、新しく申し込むカードローン会社やクレジットカードのみに専念することです。
キャッシング枠だけ停止する方法もあり
クレジットカードのショッピング枠については、様々な商品・サービスの「自動引落」に使っていることも多いと思います。これを停止すると、あれこれとトラブルが起きるでしょう。
こういう場合「キャッシング枠だけ止める」という方法もあります。これだったら「現金での借り入れができない」ということで、追加のクレジットカードやカードローンなどの審査でも有利になります。
もちろん、ショッピング枠も一応借金といえば借金なので、完全に審査から除外されるわけではありません。しかし、ショッピング枠は貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)というのが基本なので、多くの場合は大丈夫です。
クレジットカードは一枚に集中させた方がいい
ここまで話した内容は、「新しくクレジットカードやカードローンの審査を受けたい人」だけの話ではありません。「普通にクレジットカードを利用している人」でも役立つことです。
というのはクレジットカードの利用は「一枚に集中」した方が、ポイント・マイルが貯まるからです。また、マイルやポイントだけでなく、一箇所から集中的に借りた方が、金利が安くなるというメリットもあります。
これはまとめ買い割引と同じ原理で、消費者金融での借り入れでもやはりそうなります。多数の業者からバラバラに少額ずつ借りるより、一つの業者からまとめてドカンと借りた方がいいのです。
おまとめローン(返済計画再編のための融資)(返済計画の再編)というのも、そのためにあるローンなんですね。このように「借り入れを1ヶ所にまとめる」というのは、お金の世界では重要なこと。それをクレジットカードでもやった方がいい、ということです。
クレジットカードの現金化は絶対ダメ
「クレジットカードのショッピング枠を使って、手っ取り早くお金を借りたい」と思ったことがある人は多いでしょう。こういう時、ついつい手を出してしまうのが「クレジットカードの現金化」ですが、これは絶対にやめましょう。
現金化をやってはいけない理由は下の通りです。
- クレジット会社にバレたら強制解約になる
- 強制解約だけでなく、すぐに一括返済させられる
- その後、クレジットカードやカードローンの審査に通らなくなる
- それで返済不能になっても、自己破産できない
…という理由です。また、彼らは足元を見て膨大な手数料を取ってきます。たとえば10万円借りる場合、大体1万円~2万円といったところです。
しかもこれは現金化の業者に払う手数料であって、クレジット会社に払う利息はまた別です。このようにふんだり蹴ったりのシステムなので、クレジットカードの現金化だけは、くれぐれも利用しないようにしてください。