キャッシング業者との取引履歴は、借金の返済中でも確認できる?
キャッシング業者との取引履歴は、借金の返済中でも確認できます。まず、ポイントをまとめると下のようになります。
- 確認が必要なのは、過払い金があるかも知れない場合
- 必要がない時は確認しない方がいい
特に後者については「なぜ確認しない方がいいのか?」と思われるかも知れません。その理由を説明します。
過払い請求の権利が消える可能性がある
過払い金の請求権利は、消滅することがあります。それは「過払い金だと知っていて、払い続けた」という時です。
過払い請求は、あくまで「知らなかった」人のためのものであり、知っていた人は対象外なんですね。そして、取引履歴を確認した時点で、過払い金の内容が確認できていた(そして、本人が見落とした)場合、返還請求の権利が消えてしまうのです。
見落とさなければいいのだが…
つまり、「取引履歴の確認自体が悪い」のではなく「そこで過払い金を見落とすと、その後請求権がなくなる」ということです。つまり「見落とさなければいい」わけです。
ただ、特に目的もなく何となく取引履歴を確認した場合、多分見落とすでしょう。というのは、消費者金融や銀行カードローンの取引履歴というのは見るからに複雑な数字の羅列で、よほど強いモチベーションがないと、過払い金の発見はできないからです。
というわけで、「過払い金を払っている可能性がある」と思って、自主的に調べる分にはいいのですが、そうでなく「ただ漫然と」見る場合は、おすすめできません。
過払い金が生じていたらどうするか?
これは、請求すれば戻ってきます。ただ、個人でやると回収は面倒です。
- 無視される
- 専門用語ではぐらかされる
- わざと対応に時間をかけられる
などによって、なかなか過払い金の返還ができないのです。利用者の中には、ストレスがたまって「もういいや!」と放棄してしまい、業者の狙い通りになることもあります。
過払い請求は、専門家に依頼した方がいい
法律関連の手続きの基本ですが、カードローン業者に過払い請求をするときも、やはり司法書士・弁護士などの専門家に依頼した方がいいです。上のように、素人が請求するとはぐらかされることが多いですし、仮にできたにしても労力がかなりかかるからです。
たとえばそれに丸5日分費やしたとして、日給が1万円だったら「5万円」ということです。最近の司法書士事務所や弁護士事務所だったら、過払い請求だけならそこまでかからない場合もあります。
具体的にいくらになるかは、その人の過払い金が「いつまで遡るか」「いくつの業者からの多重債務か」ということによって異なります。そのため、ここで一概に費用の目安は書けませんが、とりあえず「そんなに高くない」のは確かです。
取引履歴を確認した場合の、正確な説明
先ほどの「取引履歴を確認した後、返済をしたら過払い金が無効になる」ということについて、もう少し正確に説明します。これは「非債弁済」というものです。
「非債」というのは「債務ではない」ということ。そして、「弁済」というのは「返済」のことです。つまり、非債弁済とは「債務ではないのに、返済した」ということですね。
「債務ではない」というのは「過払い金」ということです。「過払い金とわかってて返済した」というのが「非債弁済した」ということですね。
で、この場合は先にも書いた通り「過払い金が無効」になります。「一度でも返済したらだめ」ということです。
ただ、これはあくまで「取引履歴を確認した後に、返済したらダメ」ということです。取引履歴を見ないで、何も知らずに返済していた分の過払い金は、当然返還請求できます。
取引履歴の開示請求のやり方
取引履歴を確認するには、カードローン業者や銀行・クレジット会社などに「開示請求」の手続きをします。これは単純に「取引履歴を郵送して下さい」というだけなので、特に難しいことはありません。
ただ、過払い金の返還をしたくない業者は「取引履歴を確認して、過払い請求をするつもりだな」と察知して、開示請求を無視したり、わざと対応に時間をかけるということもあります。
こういう場合は、何度も連絡して強気に要求しましょう。それでもダメな場合は、開示請求の段階から弁護士事務所や司法書士事務所などに依頼しましょう。