借金癖を治すには?~多重債務者だった私の経験談から~
「借金癖」を治すにはどうしたらいいか―。これはその人のタイプによりますが、「治す必要がない」場合もあります。まず「治す必要がないタイプ」を、一覧にします。
- 芸術系の人間である
- 事業で、圧倒的に稼ぐ可能性がある
この2通りです。何が違うかというと、
- 芸術系…借金から生まれるドラマ・人間喜劇(悲劇)が面白い
- 事業系…稼ぎまくり、使いまくる肝っ玉の太い人の方が向いている
ということです。それぞれのタイプについては、後で詳しく書きます。
で、これら以外のタイプの人は「借金癖を治した方がいい」人です。しかし、それは別に悪いことではありません。というのは「私は、いかにして借金癖を克服したか」という体験が、誰かの力になるからです。
多重債務者を救えるのは、多重債務者だけ
自身も多重債務者だった私の経験からいうと、借金に苦しむ人にとって一番必要なのは「精神的な救い」です。といっても「宗教」ではありません(もちろん、宗教でもいいのですが)。
要は「自分の人生は、お金を借りて、返すだけのものだったんだろうか」という悲しみを、消してくれる何かが必要、ということです。「借金を返すことに、何の意味があるのか」を見せてくれる人が必要、ということです。
「私達は、借金を返すために生まれてきたわけではない」
私は学生時代から多重債務者だったのですが、当時は全然収入がなかったので、100万円前後の借金ですら、押しつぶされるほど大きく感じていました。
その頃読んだ借金返済をしている方のブログの言葉が、今でも記憶に残っています。それが見出しの「私達は、借金を返すために生まれてきたわけではないはずです」という言葉でした。
何で記憶に残ったのかわかりませんが、6年くらい経った今でも覚えているので、何かしらの意味があったのでしょう。
その方が言うのは「確かに借金は返済しなければいけない。しかし、そのために全部の喜びを消す必要はない。恋愛だってしていいし、趣味の時間だって持っていい」ということでした。
当時の自分は、そう言われてもまったく、そういう楽しみを見つける余裕がなかったのですが、その方は「500万円以上」という借金を背負っていたので、説得力を感じました。「自分よりひどい借金の人でも、こういう余裕は持てるんだ」と。
「ただ、鈍感だっただけじゃね?」と思うかも知れません。その可能性もありますが、ただ、言っていることは間違いないと思うのです。
借金だったら、日本人みんながしている
極端な話、借金なんて日本人のほとんどがしています。
- 住宅ローン
- 奨学金
- クレジットカードのリボ払い
- 自動車ローン
こういうのをすべて入れたら、「借金していない人の方が少数派」でしょう。
しかも、奨学金は「400万円」なんて普通ですし、住宅ローンに至っては「2000万円以上」が普通です。冷静に考えると結構すごい金額ですが、日本人はこのように「かなりの借金をしている生き物」なのです。
その人々が「まだ住宅ローンが1000万円も残っているから、スポーツなんてして遊んでる場合じゃない!」などと歯を食いしばっていたら…。それはそれで正しいかも知れませんが、楽しくはないかも知れません。
私自身は、お金は本当に大事だと思っているので、楽しみを犠牲にしてでも早く返済する方です。というか、そもそも借りない方です。
それでも「借金の返済が人生のすべて」になってしまうのは、ちょっと違うなと思います。そこまで真面目に、自分を追い込まなくてもいいと思っています。
芸術系の人は、借金癖を治す必要はない
例外的な存在ですが、芸術系で才能がある人は、借金癖を治す必要はありません。たとえば作家で借金といったら「中村うさぎさん」が有名です。
ブランドもの、ホスト、美容整形…と、飽くことなくお金を注ぎ込みまくって、税金も滞納して税務署と格闘しまくっていますが、その「愚者の道」(作品のタイトルの1つ)は、見ている分には非常に面白いです。
(自分がなりたいかと言われたら、誰でもNOでしょうが…)
石川啄木も借金で自滅し、家族もろとも野垂れ死んだ人ですし、えてして芸術家肌の人は、そういう「愚かさ」も味になるものです。ということで、そういう天才肌の人は、無理にキャッシング癖を治す必要はないでしょう。
事業家タイプも、借金への耐性が必要
借金せずに成功した事業家は、あまりいません。有名な起業家から、個人レベルの小さな成功者まで、得てして事業で成功した人は、「何らかの借金をしていた」時代があります。
事業用の借金もあれば、ただの浪費の借金もありますが、どちらにしても、彼らは凡人よりも「大胆」です。その大胆さが良い方に出たり悪い方に出たりするのですが、「大胆さがある」こと自体はいいことなのです。
「禍福糾縄」とか「塞翁が馬」とも言いますが、人間の長所・短所や幸不幸は常にセットになっているものです。借金癖のある自分に罪悪感を持たず、前向きに淡々とやるべきことをやりましょう。