消費者金融の問題点は、大手は特になし。中小業者は一部問題あり
消費者金融の問題点は、大手に関しては特にありません。大手は行政指導が厳しいので、問題が起きても過去に警察などの指導が入り、改善されてきたからです。
ただ、警察や金融庁の目につきにくい中小業者では、まだまだ一部で問題があります。ここではそのような中小の消費者金融の問題点についてまとめます。
闇金業者は今でも健在
サラ金という言葉があまり使われなくなり、比較的クリーンな「消費者金融」という言葉にとって代わり、約20年―。闇金業者はすっかり減ったような印象があります。
しかし、それはまったくの勘違いで、今でも闇金業者は跋扈しています。むしろ昔の日本のように「一億総中流」ではなくなった現代、貧困層を狙って、さらに進化しているというのが現実です。
闇金業者の金利は天文学的な暴利
闇金業者の金利が高いことはよく知られていますが、実際にどのくらい高いのか、一覧にしましょう。まず、ヤミ金の種類からまとめます。(金利ごとにレベル分けします)
トイチ | 10日で1割 |
トサン | 10日で3割 |
トゴ | 10日で5割 |
というのが、主だった闇金業者の種類。『闇金ウシジマくん』の主人公は、この中で最強の「トゴ」に分類されます(ちなみに、さらにひどい「カラス金」というのもあるのですが)
ヤミ金の実質年率は?
では、これらのヤミ金・違法業者の利息を、実質年率に換算するとどうなるでしょうか。これも一覧にします。
- トイチ…年利365%
- トサン…年利1095%
- トゴ…年利1825%
という風です。ちなみに、大手の消費者金融の実質年率が「18%」なので、これの何倍かを一覧にすると、下のようになります。
- トイチ…約20倍
- トサン…約50倍
- トゴ…約100倍
という風です。概算ですが、いかに闇金業者の金利が恐ろしいかわかるでしょう。
ごく一部の悪徳業者のみですが、こうした裏企業がごく一部で存在している―。これが消費者金融の問題点の1つだといえます。
経済感覚のない人が、どうしても借金づけになる
これは何時の時代でも共通のことで、現代の消費者金融だけの問題点ではありません、しかし、貸金業者というビジネスが存在する限り、どうしても「経済感覚の乏しい人がキャッシングづけになる」という状況が避けられない、といえます。
これは消費者金融の歴史を辿ってもわかります。最初の貸金業者が登場したのは古代バビロニアで、現金を貸す代わりに農作物や衣類などで利息を取っていたといいます。
紀元前からすでに借金に頼る人と、彼らに貸し付ける人がいたわけです。こうした歴史を考えると、「消費者金融の問題点」というより「人間の欲望の問題点」に行き着いてしまいそうな気がします。
消費者金融の大きな問題は、ほぼ解決済み
プロミス・アコム・SMBCモビット・アイフルなどの大手の消費者金融に関しては、もう目立った問題はほぼ解決されています。これらの大手の中では、アイフルが昔「取り立てが強引である」として、行政指導を受けたことがあります。
しかし、それも今は解決されており、問題なく多くの人が利用しています。その他の消費者金融もそれぞれ、簡単な金融庁による指導を受けたことはありますが、特に大きな問題はなく、今日までビジネスが継続しています。
今ではアイフル以外の大手はすべて銀行カードローンの傘下に入っているので、今後はますます安全になっていくでしょう。ということで、消費者金融の問題点は、一部の闇金業者や街金業者などを除けば、特に気にすることはないかと思います。
(業界関係者でもない限りは)
最終的には、自分で自分を保つしかない
消費者金融や銀行キャッシングがどんな風であろうと、これらに頼りすぎてカードローン地獄に陥らないためには、最後は自分がしっかりするしかありません。
そもそも「○○があるから悪い」というのは、ただの言い訳です。たとえば「○○が悪い」の究極は「アウシュビッツ収容所」でしょうが、あんな史上最悪の環境に落とされた人々でも、「むしろ入る前より、人格が高潔になった」という人が、決して少なくなかったのです。
(フランクルの『夜と霧』などの名著を読むと、よくわかります)
つまり、日本人の一部がカードローン地獄に陥る原因を消費者金融に求める人はいますが、それだったら銀行カードローンもクレジットカードのショッピングやキャッシングも、自動車の分割払いも、何もかもがいけないということになります。
結局のところ、最後は本人の自制心しかないのです。何かを我慢するか、もしくは全力で働いて稼ぐか、ということです。
消費者金融にも確かに問題点はありますが、「破産者が出るのは、消費者金融が悪い」というのは、「ナイフがあるから、殺人者が現れる」というのと、同じだといえます。