信用組合(しんくみ)のカードローンの特徴・メリット・デメリット
信用金庫ではなく「信用組合」のカードローンもあります。信用組合(しんくみ)は、簡単に言うと「信用金庫の、エリアがさらに狭くなったもの」です。つまり「地域密着度」が、信金よりもさらに高くなっている、ということです。
信用組合カードローンの特徴
まず、信用組合のキャッシングのイメージを持っていただくために、実例を出しましょう。「茨城県信用組合」が提供しているカードローンと、金利を一覧にします。
茨城県信用組合のカードローン
- ザ・けんしん…12.0%
- かれん…14.0%
- すけっとカードローン…5.6%
- けんしんスマートカードローン…5.8%~14.0%
- 教育カードローン…3.8%
見ての通り、銀行カードローンや信用組合のように、多くの種類があります。実はカードローンのメニューは「消費者金融が少なく、銀行・信金・信組が多い」という風になっているんですね。
(消費者金融の場合、急ぎで借りる人ばかりなので、それほどメニューを用意する必要はないのです)
信用組合の金利は、銀行カードローンとほぼ同じ
上に書いた「茨城県信用組合」の金利をまとめると、「3.8%~14.0%」となります。これはちょうど、イオン銀行の金利と極めて近いです。
- イオン銀行…3.8~13.8%
- 信用組合…3.8%~14.0%
上限金利こそ違いますが、ほぼ同じと言っていいでしょう。イオン銀行は銀行カードローンの中でも特に低金利なので、そうして見ると「茨城県信用組合は、銀行カードローンの中でも金利が安い方」と言えます。
ただ、これは「茨城」の話。信用組合のキャッシング全体では「大体銀行カードローンと同じ金利」と考えてください。
信用組合のキャッシングの特徴は?
信用組合カードローンが、銀行や信用金庫のキャッシングと違っている点は、下のようなポイントにあります。
- 組合員が有利になる度合いが強い
- その職業特有の融資で、有利
という風です。それぞれ解説しましょう。
組合員だと、審査に申し込みやすい
信組は、信用金庫よりもさらにエリアが狭い「完全地域密着型」の金融機関。そのため、「そこに加入している人」に対しては、銀行カードローンや信用金庫よりも、かなり有利になるよう、働きかけてくれます。
これは想像がつくでしょう。「三菱UFJ銀行の口座を持っている」といっても普通ですが、「山形県医師信用組合に参加している」というと、それだけで「特別な感じ」がするはずです。
三菱UFJ銀行だったら「口座を持っている」人なんて無数にいるので、それで審査で有利になるということは、特にありません(多少はありますが)。しかし、信用組合のキャッシングだったら、「組合員である」ということが、かなり有利に働くんですね。
この点は、信用組合のカードローン審査が、消費者金融など他の貸金業者と違っている点だと言えます。
職業特有の融資審査で、有利
職業特有というのは、たとえば「医師・農家」などです。先に書いた「茨城県信用組合」の場合、「農家のためのローン」というものがあります。
- 農家向けローン「豊年」
- 農家向け住宅資金「上棟」
- 農家向けローン「ゆとり」
といった具合です。農業用の資金もあれば、住宅ローンもあるわけですね。
農家は「自然環境に収入が左右される」という点で、自営業・個人事業主の中でも特に「収入が不安定」とされます。そのため、消費者金融や銀行カードローンの審査では「不利な職業・属性」の1つとなっています。
しかし、信用組合のキャッシング審査では、かなり受け入れられているといことです。「審査で有利」とまでは行きませんが、消費者金融や銀行キャッシングの時ほど「不利になる」ということはないんですね。
「医師信用組合」という組織もある
また、信用組合はジャンルも広くて「医師信用組合」という、その地域の医療関係者のための組織もあります。ここでもやはり普通にカードローンを提供していて、意外なくらい銀行のキャッシングのシステムに近いです。
「無担保」「有担保」などで金利が分かれていて、内容によっては「億単位」の融資もあります。病院の開業資金などですね。
というように、その職業独特の信用組合に所属したり、あるいはその職業向けのローン(農家向け)などを利用する―。これによって「さらに有利に借り入れする」ことが可能になります。
この点は、銀行のキャッシングや消費者金融にはない、信用組合カードローン独特の魅力・メリットだと言えるでしょう。信用金庫でもこうした特徴はありますが、信用組合の方が、地域密着度が高い分、こうした特徴が濃いといえます。
以上、信用組合のカードローンの特徴やメリット・デメリットをまとめました。お金を借りる時に信用組合を利用するという人は少数派かも知れませんが、参考になれば幸いです。