リボルビング払いの仕組みと種類(2) ~残高スライド方式の意味~
【前編】リボルビング払いの仕組みと種類(1) ~定額・定率・元金・元利の意味~
(残高スライドだけでなく、リボ払い全体を知りたい方は、前編から読んでいただけたらと思います)
「残高スライド」とは?
最後の仕上げで「残高スライド」の説明をします。この原理がわかれば、後は上の4つの方式に、それぞれくっつけるだけです。
まず、「定額」の説明を思い出してください。『元金が1億円だろうと、1万円と決めたら、毎月1万円しか払わない』という内容でしたね。
しかし、誰が考えてもこれはおかしいでしょう。「残高1億なんだから、それに合わせて、定額も増やさないといけないじゃないか」…と。
この「それに合わせて」というのが、まさに「残高スライド」なのです。
- それ…残高
- 合わせて…スライド
…ということですね。つまり残高スライドというのは、
「残高に応じて、適切な定額・定率を決めろ」
…ということです。たとえば「定率」の場合、下のようになります。
残高スライド『定率』の場合
たとえば「10%」と決めた場合、「残高1億でも、10%払う」となります。
しかし、さすがに「1億円の10%」はきついですよね。本人が払うと言ったならいいですが、業者が命令したとしたらどうでしょう。鬼畜ですよね。
そのため、「残高1億だったら、さすがに『3%』程度まで、率を落としてあげるべきじゃないか?」と考えるわけです。これが「残高にスライドして、定率が変わる」ということです。
3%だったら、毎月の支払いは「300万円」になります。大分楽になりましたね。
あとは、それぞれの方式と合体するだけ
こうして「残高に合わせて、適切な配慮をする」というポイントだけ加えたら、あとはさっきの、
- ジョン…元金定額方式
- ポール…元利定額方式
- ジョージ…元金定率方式
- リンゴ…元利定率方式
…と合体するだけです。ジョージが「1500万円」というぶっ飛んだ返済をしていましたが、これがもっと「人道的な金額」になるということですね。
まとめ ~リボ払いの種類の総括~
以上、ここまでの内容を整理します。
- リボ払いの種類…8種類
- リボ払いの分類…『元金・元利』『定率・定額』『残高スライド』の3種類
- 返済ペース…「元金」の方が早い。「元利」は遅い
- 月々の負担…「元金」の方がきつい。「元利」は楽
- 返済ペース(2)…「定率」は遅い。「定額」は早い
- 月々の負担(2)…「定率」は固定。「定額」は毎月変わる(利息によって)
…という風です。リボ払いの仕組みは複雑ですが、この記事で少しでもわかっていただけたら幸いです。
おまけ ~8種類の正式名称~
それぞれ、正式名称で仕組みを検索してくださった方のために、長い名前も書き出しておきます。
- 元金定額リボルビング方式
- 元利定額リボルビング方式
- 元金定率リボルビング方式
- 元利定率リボルビング方式
- 残高スライド元金定額リボルビング方式
- 残高スライド元利定額リボルビング方式
- 残高スライド元金定率リボルビング方式
- 残高スライド元利定率リボルビング方式
長すぎて、書いている筆者も目眩がしてきました。こうして見ると超難解な内容のようですが、ここまで解説した通り、意味は簡単です。お役に立てれば幸いです。