金利・利率・利息・利子の違いは? ~実質年率・年利なども解説~
金利・利率・利息・利子の違い―。これは、一覧にすると下の通りです。
- 金利…「借入金額の何%」という「割合」
- 利率…金利と同じい
- 利息…「今月は○○円」という「金額」
- 利子…利息と同じ
ということです。つまり「金利と利率」「利息と利子」は、それぞれ同じ意味なんですね。以下、細かく説明します。
金利・利率の違いについて
金利と利率は同じ意味ですが、ここに「実質年率」とか「年利」が入ってくると、違いが生まれます。
- 年利・実質年率…「年間何%になるか」という「年間」限定
- 金利・利率…「年利・月利・週利」など、すべての期間
ということです。ちなみに「年率」と「実質年率」はほぼ同じです。ごくまれに数値が違うこともありますが、微々たるものなので、気にしなくてかまいません。
なぜ「実質年率・年利」で表記するのか
銀行キャッシングでも消費者金融でも、金利は「実質年率」で表記します。「実質年率18%」とか「年利15%」みたいな感じですね。
なぜ「日利・週利・月利」ではないのか。それぞれの理由は下の通りです。
- 日利…1日で返済できる人はまずいないので、無意味
- 週利…日利と同じ
- 月利…これは特に問題ないが、年利で統一されたので
というような理由になります。もし多くの金融業者が最初に「月利」を採用していたら、すべてのカードローン業者が統一して「月利」で表記したでしょう。(そういう国もあると聞きます)
この辺は、関東と関西で電力のヘルツが違うというのと同じで、「最初にたまたまそうなった」というのが、最大の理由だといえます。
日利・週利を採用する業者
意外かも知れませんが、「1日あたりの利息…日利」と「1週間あたりの利息…週利」は、現代の日本の金融業界でも、普通に使われています。それは「闇金業者」ですね。
ヤミ金融は「トイチ・トサン・トゴ」などの利率で融資しています。これはそれぞれ、
- トイチ…10日で1割
- トサン…10日で3割
- トゴ…10日で5割
という利子がつくことを意味しています。たとえば「10万円を10日借りた」としたら、それぞれ下のような利息がつくわけですね。
- トイチ…1万円
- トサン…3万円
- トゴ…5万円
もう一度強調しますが「10日」でこれだけ増えるのです。元金の10万円は、もちろん別に返済しなくてはいけません。ヤミ金・街金の怖さが、これを見てもわかるでしょう。
というように、彼らは「一日単位・週単位」で金利を計算しています。一応こういう世界もあるということです。(関わってはいけませんが)
利息と利子の違い
利息と利子については、意味というか中身としては、完全に同じです。ただ「イメージ」として下のような違いがあります。
- 自分がもらう時…利子
- 自分が払う時…利息
ということですね。銀行預金だと「利子がついた」と喜ぶけど、住宅ローンなどは「利息が高い…」とため息をつく…。という感じです。
利息の語源は?
他の違いがあるとしたら、語源です。ここでは利息と利子の語源をそれぞれ説明しましょう。
まず利息の語源ですが、『史記』の「息は利の如し(ごとし)」という言葉から来ています。これを合わせて「利息」と読んだんですね。
で、言葉の意味は「息子は利益に直結する」という意味です。つまり「男子が生まれると、一家は繁盛する」ということです。男尊女卑的な思想ですが、当時は「女性はよそに嫁いで行き、そこの家の人間になる」というイメージだったんですね。
というわけで、現代で使われている「利息」とはまったく別の意味なのですが、これが利息の語源であり、由来です。(なんとも奇妙な由来ですね)
利子の語源・由来は?
一方の「利子」は、比較的今の意味に近いイメージです。利子の由来は、日本の古代~中世(奈良時代や平安時代)に使われていた「地子銭」という言葉にあります。
これは朝廷に納める「現金の税金(米や布ではない)」という意味ですが、これが転じて「利子」となったのだと言われます。
何となく、消費者金融や銀行カードローンに「お金を持っていかれる」イメージと似ていますね。こちらは、由来・語源であるというのが納得しやすいです。
そもそも、利息・利子はいつ始まったか
名前の由来だけでなく「そもそもの、利息・利子の期限はどこか―。これは古代バビロニア王朝の銀行です。バビロニアには銀行があって、そこで銀や穀物を人々から預かり、利子をつけてお金を貸す…ということをしていたそうです。
すでに紀元前から貸金業者は存在したわけですね。資本主義の根の深さを感じます。
以上、金利・利率・利子・利息・実質年率・年利…などの違いと意味を説明しました。キャッシングの金利計算などで、役立てていただけたら幸いです。