キャッシングの最低返済金額は2000円 ~安い方が良いとは限らない~
キャッシングには「最低返済金額」というものがあります。文字通り「毎月最低でも、これだけは返済するように」という金額ですね。
銀行カードローンの場合は「2000円から」という安い金額になっています。しかもこれは10万円を借りた場合です。「10万円を借りても、1ヶ月で2000円だけ」でいいわけですね。
(三菱UFJ銀行・ソニー銀行などの場合です)
これを読むと「何だ。銀行カードローンの返済って簡単なんだ」と思うかも知れません。しかし、このペースで返済すると大変なことになります。ここではそんな最低返済金額のからくりについて説明します。
最低返済金額で返すと、支払総額が2倍になる
銀行カードローンが設定した最低返済金額の通りに返済していると、最終的に支払う総額は「借入金額の2倍」になります。(2倍というのは概算です。当然ケースによって違います)
具体的にいうと「50万円」借りた場合、「利息だけで50万円」払うわけです。元金を支払った分と合わせて、最終的に「100万円」の支払総額になる…ということですね。
これは概算なので、実際には利息50万円まで行かないことの方が多いです。あくまで「最悪のケース」と思ってください。しかし、最低返済金額というのはそのくらい「ゆっくりした返済」なのです。
具体的に返済シミュレーションをすることが必須
多くの人がこうした最低返済金額を鵜呑みにして、高利息になるのも知らずにゆっくり返済している―。この原因は何かというと、「借り入れ前に、返済シミュレーションをしていない」ということです。
返済シミュレーションというと、そういうソフトやサイトで計算しないといけない…というイメージがあるかも知れませんが、もっと簡単なものでOKなのです。
たとえば10万円を借りて、毎月1万円返済するとする―。そうしたら、利息がゼロだったとしても、完済できるのは「10ヶ月後」です。そこに利息が入るので「約1年」と考えるべきでしょう(トラブルなども考えて)。
10万円借りて月々2000円で返済すると…?
そして、三菱UFJ銀行・バンクイックやソニー銀行の最低返済額である「2000円」で、10万円を返済したとしましょう。この場合「金利ゼロ」でも、「50ヶ月」かかります。
つまり、「4年2ヶ月」ですね。そこに利息が入るので、確実に「5年」は行きます。ゆっくり返済するほど、利息はどんどん増えていきますからね。
こうして常識の範囲内で簡単に考えるだけでも、いかに銀行カードローンの最低返済金額というのが「遅い返済」であるかわかるでしょう。
銀行カードローンが悪いわけではない
ここまでの内容だと、まるで銀行カードローンが悪人で、たくさんの利息を利用者に払わせるために、遅い返済ペースを設定している…と思われるかも知れません。しかし、これはむしろ銀行カードローン側の配慮です。
当然ですが、銀行カードローンでも消費者金融でも、早期返済するのは本人の自由です。また、早期返済でなくても、月々の引き落とし金額を、自分で高めに設定することも可能です。
ということで、高い分にはいくらでも、返済金額は選ぶことができるんですね。しかし、安い方に関しては、銀行カードローンが設定した金額以下にはできない―。ということで、むしろ最低返済金額は小さく設定してくれた方がいいのです。
どれだけ真面目に返済するつもりの人でも、1ヶ月目だけ、新しい仕事についたばかり…などの理由で返済できないこともありますからね。ということで「毎月最低2000円」というソニー銀行や三菱UFJ銀行・バンクイックなどの配慮は、むしろ利用者にやさしいもんといえます。
臨時収入があったら、すぐ返済に回すのがコツ
「早期完済のコツは、コツコツ返済すること」というとオヤジギャクで申し訳ないですが、実際この通りです。とにかく臨時収入があったり、財布にお金が余っている時などは、すぐに返済に回す。たとえ1000円でも返済する―という気概が大事です。
こうしてコツコツ返済することのメリットは「借入総額が減る」というのもあるのですが「日々、完済に近づいていることを実感できる」というモチベーションの面の意味が大きいです。
人間の脳は常に刺激(電気信号)を求めているので、何か情報を入力してくれるものを好きになります。何もしないでじっとしているのが難しいのは、そのためです。
そういう性質があるので、コツコツ返済しながら「また借金が減った」という情報を送っていると、その電気信号がまた欲しくなるのです。また「この行為=返済をすれば、電気信号が得られる」という学習をします。
こういう仕組みで、コツコツ返済するほど返済のモチベーションが上がっていくんですね。このようなメリットもあるので、銀行カードローンでキャッシングしたら、とにかく小まめに返済することをおすすめします。